ゴルフは紳士のスポーツ……のはずである。しかし、その日本の男子プロにおける統括組織が、品位無き権力闘争に揺れている。副会長であるやり手経済人のクーデターで、青木功会長(80)が辞任を示唆。男子ツアーの危機! と有力スポンサーの心配は募り……。
「この間、青木会長と電話で話していたら“僕はみんなに支えられながらやってきたけど、もうこれ以上は無理だよ……”と泣き出してしまったんです。“世界の青木が何言ってんのよ”と励ましたんですが、ご本人は相当心労がたまっているんだろうと思いますよ」
まずはこう打ち明けるのは、「平和」会長の石原昌幸氏である。遊技機メーカー「平和」は近年、ゴルフ事業にも乗り出し、ゴルフ場運営のPGMを傘下に収める。ツアー戦「HEIWA・PGMチャンピオンシップ」も開催する、男子ゴルフ界の有力スポンサーだ。
“三木さんが辞めないなら自分が辞める”
日本ゴルフツアー機構(JGTO)は、1999年に設立され、男子ゴルフのプロツアーを統括している一般社団法人だ。
2016年、その会長に青木功氏が就き、現在、4期目の任期に入っている。青木氏といえば、日本ツアーで歴代2位の51勝、海外ツアーでは日本人として初めて優勝を飾った、男子ゴルフ界のスターだ。
「JGTOでは昨年来、会長の青木さんと、副会長の『ABCマート』創業者・三木(正浩)さん(67)の対立が深まっていました」
と解説するのは、JGTOの内情に詳しい、さるベテランゴルフ記者である。
「二人の関係は今やもう修復不可能で、人を介さないと会話ができないほど。青木さんは周囲に“三木さんとはもう一緒にできない”“三木さんが辞めないなら自分が辞める”とこぼしています」
この2月22日、JGTOで理事会が開催された。