【妊娠・出産】横峯さくら競技復帰への挑戦(2021年2月28日)

世界で活躍する日本の女性選手は多くいますが、選手を支える環境はというと、世界から遅れをとっているといいます。この環境を変えようと挑む横峯さくらさんに密着取材しました。

▽“日本の女性アスリートの未来”に少しでも“選択肢”をー
2月4日、2938gで生まれた元気な男の子、桃琉くん。ママはプロゴルファーの横峯さくらさん（35歳）です。さくらさんには今回の出産を通して伝えたい「ある想い」がありました。

さくらさん
「女性アスリートって出産と競技の壁にぶつかると思うんですけれども、これから妊娠を考えているアスリートの方達に、少しでも役に立つことができればいいなとか、選択肢の1つになればいいな」

2004年にプロデビューしたさくらさんは現在ツアー通算23勝。
29歳からは最高峰のアメリカツアーに挑戦しています。しかし、ある悩みが・・・

さくらさん
「ずっと子供を作るタイミングだったり、5年くらい悩んでいたんですね。ゴルフもすごく楽しくなってきて、でも子供も欲しいし。もしできたとして出産後、身体がどういう風になるのかという不安だったりとか。やっぱり私自身も『子供ができたら引退だ』と思っていたので。」

▽アメリカツアーで見た光景が転機に
そんな悩みの中、アメリカツアーでキャディも務める夫の陽太郎さんと「ある光景」を目にし、さくらさんは衝撃を受けました。

さくらさん
「子供は託児所に預けているんですよ、試合中は。子供を産んでもちゃんと戻ってくる場所があるというか。それを見た時に、陽ちゃんと2人ですごくない？みたいな。そういうのを見て、あ、ゴルフって続けられるんだなって。」

お腹に赤ちゃんがいても、試合には出場できる。さらに会場には、生後6週間から預けられる託児所も完備。日本では見た事がない光景ばかりでした。

さくらさん
「生活の中にゴルフがあってという感じで、幸せと繋がっている。すごく価値観が変わったというか。逆に日本にそれを持ってきてじゃないですけど、今度はそんな勇気を私自身が伝えたいなって」

▽妊娠・出産 『自らの経験を全て記録』
『日本の女性アスリートの未来に、少しでも選択肢をー』そんな強い想いが芽生えていた2020年の初夏、さくらさんに新しい命が。ここからママゴルファーへの挑戦が始まりました。
医師の指導のもと行われた妊娠中の練習。日本には妊娠、出産を経験したアスリートが復帰するための情報が少ないからこそ、自らの経験を誰かのために役立てたいと全て記録しました。

記録から
「妊娠すると、これだけミート率も下がるし、飛距離も落ちると実感。体重は増えてるのになぁ。」
体の変化に合わせ、大きなお腹でもボールに当たるよう、クラブも重さや角度を調整。
トレーニング中のさくらさん
「心拍数が140を超えると影響が出るみたいなんですけど、100くらいなら全然大丈夫です。」
食事にも気を遣い、体重をコントロール。
母子ともに健康ということで2020年11月には大きなお腹で試合に出場しました。

さくらさん
「女性アスリートって決めなきゃいけない決断が多いと思うんですよね。結婚、妊娠とか私が出産した後に復帰して復活できたら、それが勇気だったりっていう形にできるのかなって思うので、そこは伝えたい部分でもあるので。自分の夢はあきらめないで欲しいなっていうのはすごく感じますね」

無事に出産したさくらさんは、今も記録を続けています。
記録から
「産後1ヵ月たったら、トレーニングして身体を作ってからスイングしないと、ケガするかも！？焦らない焦らない」

母となったさくらさんが、思い描く未来ー
「女性がもっともっと働ける社会になってくれたら私自身は嬉しいなと思いますし、まずはチャレンジじゃないですけど、一歩前に踏み出すこと、踏み出す勇気があると、また違う景色が見えてくるんじゃないかなと思います。
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp