グリーン周りからふわりと上げるアプローチショットを打ってみます。技術を身に付けるための効果的な練習を、千田萌花選手と一緒にやってみましょう。
グリーンを少し外して軽いバンカー越えとなった場合などでは、ふわりと上げるショットが必要です。ただ、この状況では距離も短いですし、試合ではプレッシャーなどもあるので軽く上げるショットを打つことは難しいです。このような時に備えて、普通に打てば上がらない番手で練習すれば上げる感覚をつかむことができるようになります。
【SWで柔らかく打てる】 練習ではPWで打ってみます。これは、PWで初速がつかないイメージをつかむためです。この練習を繰り返すと、試合などで実際にSWで打つ時に柔らかく打つことがイメージできるようになります。千田さんも「PWで練習を続けていると、実際に58度のウエッジで打てば球が勝手に上がってくれるので簡単に感じます」と話しています。
つまり、難しいクラブで練習して、易しく感じようということです。この練習を繰り返すことによって、SWで止める球を打つ技術が身に付くわけです。
ふわりと上げるショットを打つ時は少しオープン気味に立って、自分の左側（左足に近い方）に球を置いて、フェース面を開いて、手元が前方に出ないようにヘッドを前に出して、体をリズム良く回転させます。
いざ打ち上げようとすると手元でしゃくったり、体幹を緩ませて手先で打ったりするなどの動きが入りがちになります。そうではなく、クラブの動きに任せてリズム良く振ることが大切です。
ふわりと上げるアプローチを打つ極意は（1）ボールポジション（2）手の位置（3）ゆったりとしたストロークでフェースに乗せる、の3点。打つのではなく、乗せることが大事です。このことを身に付けるため、PWで3つの極意に気をつけながら練習することをお勧めします。ぜひ、試してみてください。
▼千田萌花（ちだ・もえか） 2002年11月22日生まれ、長野県出身。身長151センチ。5歳でゴルフを始める。通信制の代々木高では笹生優花や男子の中島啓太の後輩。今年は関東女子選手権23位など。4月のフジサンケイレディスでツアーに初挑戦した。目標は上田桃子。
【辻にぃ 心の声】日本女子OPで感じた難コースの必要性
千葉・紫CCすみれCで行われた2週前の日本女子オープンはコースの仕上がりが素晴らしく、全米女子オープンのようなセッティングで「これぞナショナルオープン」という雰囲気でした。
ラフの深さやグリーンのコンパクション（硬さ）、スピード、ピンポジションを含め、アンダーが出れば最高というセッティングで、実際に終わってみればアンダーパーが2人だけ。頭をフル回転させる必要があるので、ラウンドを終えて上がってきた選手は普段の1．5倍は体力が失われていました。今回は、いろいろなことを気付かされた選手が多かったと思います。
現在の女子ツアーが行われている会場ではヤマハレディースの静岡・葛城GC、ニトリレディスの北海道・小樽CCも難コースとして知られています。日本女子オープンを合わせた3つの大会はいずれも4日間大会。これらの大会で結果を出せる人は「ゴルフ力」が高い選手だといえます。
最近の女子選手はレベルが上がっていますが、さらに一皮も二皮もむけるためには、いかに難しいコースを回るかに懸かっていると思います。もちろん、バーディー合戦も醍醐味（だいごみ）がありますが、今回のようなセッティングの大会を増やしてもらえたら、と考えさせられました。
辻村明志（つじむら・はるゆき） 1975年9月27日生まれ、福岡県出身。11歳でゴルフを始め、千葉・学館浦安高時代に関東ジュニア選手権高校男子の部、関東高校選手権など優勝。日大では関東学生選手権優勝、朝日杯争奪日本学生選手権2位など。2000年8月にプロ転向し、01年9月に下部ツアーのアイフルチャレンジカップ・オータムで2位となった。11年以降に本格的にコーチとなり、上田桃子、松森彩夏、吉田優利ら女子を中心に多くのトッププロを指導している。
取材協力 鎌ヶ谷カントリークラブ（千葉県鎌ケ谷市中沢1348）
（電）047－444－4111（代表）
中日スポーツ
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