全米プロを制覇したジェイソン・デイの母の愛【ゴルフジャーナリスト舩越園子】

全米プロを制覇したジェイソン・デイの母の愛【ゴルフジャーナリスト舩越園子】



「もしも、あのとき父が死んでいなかったら、今日のこの勝利は無かった」

「父が死んだとき、1つのドアが閉まった。でも、そのあと、別のドアが開いた」

一度聞いただけだと、思わず「ん?」と聞き返してしまいそうなこれらのフレーズは、2015年の全米プロを通算20アンダーというメジャー4大会史上のベストスコアで制覇したジェイソン・デイが口にした言葉だ。

オーストラリア人の父とフィリピン人の母の間に生まれたデイは2人の姉にも可愛がられながら、幸せに暮らしていた。経済的には決して豊かではなかったが、父親がゴミ捨て場に置いてあったゴルフクラブを持ち帰ってきたそのときから、父と息子の楽しい競争が始まった。

「どっちが先に上手くなるか競争だぞ」

父と一緒に夢中になってゴルフクラブを振った日々は、がんと診断された父親があっという間にこの世を去ったとき、突然、終わってしまった。そのとき、「1つのドアが閉まった」。

※当記事は、2015年東洋経済オンラインに掲載されたものです。

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